中学受験の中で子どもの自己肯定感を高めるために親ができること

2020年9月28日

中学受験で「勉強が怖くなった子」を救う方法(壊れた「自己肯定感」を復活させるための手順)という記事を見て、子どもの自己肯定感を高めるために親ができることを考えました。

早速ですが、「自己肯定感」が何かご存知ですか?

自分の存在を価値ある存在として肯定的に受け止められる感覚のことです。

10年くらい前はあまり聞きませんでしたが、最近では多くのニュースや書籍を見るほどメジャーな言葉になってきたように思えます。

本記事では自己肯定感の概要を紹介しつつ、子どもの自己肯定感が低くなりがちな場面(中学受験)における「自己肯定感を高めるやり方」を考察していきたいと思います。

しっかり対策も紹介しますので、よろしければ最後までご覧ください。

自己肯定感とは

本題に入る前に自己肯定感の概要について少し説明します。

心理カウンセラーの中島 輝先生は、自己肯定感は以下の6要素から構成されると述べています。
一つ一つは昔からある感情ですが、それが掛け合わさって自己肯定感を形成していることがポイントになります。

1. 自尊感情
「自分には価値があると思える価値観」で、「根」にあたります。
根っこが深くなければ、木は簡単に倒れてしまいます。

2. 自己受容感
「ありのままの自分を認める感覚」で、「幹」にあたります。
しっかりしていなければ、木はまっすぐに伸びません。

3. 自己効力感
「自分にはできると思える感覚」で、「枝」にあたります。
しなやかに伸びなければ、すぐにポキッと折れてしまいます。

4. 自己信頼感
「自分を信じられる感覚」で、「葉」にあたります。
信頼という養分がなければ、生い茂ることはできません。

5. 自己決定感
「自分で決定できるという感覚」で、「花」にあたります。
主体的に自分で決めることで、花は開きます。

6. 自己有用感
「自分は何かの役に立っているという感覚」で、「実」にあたります。
誰かの役に立てること。それ自体が甘いご褒美です。

自己肯定感の木は6つの感で大きく育ち、開花し、実を結びます。
逆に言えば、どれか1つでも大きく揺さぶられると、その影響で自己肯定感は下がってしまいます。
それが自己肯定感が簡単に上下する要因です。

「自己肯定感が低い人」に足りない6つの感情(周りの意見を素直に聞く「いい人」ほど危険)

それでは自己肯定感が低くなるとどのようになるのでしょうか?

一般的に自己肯定感が低いと陥る状態の例が以下のツイートに表れています。
幸せからは程遠い状態のように思え、いたたまれないです。

「自分の評価=他人の評価」となっているため常に人の目を気にしておどおど生きたり、感情の変動幅が大きく情緒不安定になったり、どうせ私なんかダメだと思ってチャレンジできなくなったりと弊害がたくさんあります。

子どもの自己肯定感が低下する場面

子どもの自己肯定感が一番低下する場面は、「努力しても報われない時」だと思います。

スポーツでも勉強でも他人との競争状態にあり、他人との比較を通してでしか自分の立ち位置を確かめられないような環境において、努力しても実を結ばない時です。

その最たるものが「受験(特に若年時に行う中学受験)」の場面ではないでしょうか。
ここからは中学受験の場面で自己肯定感UPの方策を考えていきます。

一般的に子どもの自己肯定感を高めるやり方は、親が子どもに対して、『「失敗しても大丈夫だ」と子どもの全て(プロセス・結果等)を受け入れるようにポジティブな接し方をすること』だと一般的にいわれています。

そのように接するためのメジャーな手段として、「子どもへのポジディブな言動(承認・感謝・感心・共感・安心等)」や「他の家の子や兄弟と比較しないこと」が挙げられます。

しかし、頑張っても頑張っても成績が上がらない子に対して上記のようなやり方だけで自己肯定感が高まるのでしょうか?

私の答えはNOです。

やはり、子どもに小さくてもいいので実績を出させてあげることが大切なのでは?

真の自己肯定感とは「無条件で自分を認める感情」のことをいうみたいですが、
そんなものは修行して悟りを開かないと身につかないのでは?

並みの人間が自己肯定感を感じるにはその基となる「種」が必要だと思っています。

子どもの自己肯定感を高めるために親ができること

負けてばかりじゃ自己効力感や自己信頼感は育ちませんよね?

結果を出すためには(1)正しい努力の方向性(2)子どもが好きで継続できるもの(3)子どもの能力や性質に合ったものの三つの条件が整っている必要があると考えます。

この3つのうちの(1)(2)について親が関与できるものです。
※(3)については(1)(2)で親がやるべきことをやってから判断すべきです。

①親が脳科学に基づき勉強の仕方を学び・実践する

努力の方向性を正しくするために、勉強のやり方を親が勉強します。

実は脳科学の観点からやってはいけない無意味な勉強法というものがあります。
これを回避しつつ、記憶に定着・出力できるような方法論を親が学び子どもに実践させます。

以下のような手順です。

親が正しい勉強法を学び子どもと一緒にその勉強を実践する

そして、クイックWIN・スモールWINを積み重ねる。(小さな成功体験の積み上げ)

自己効力感や自己信頼感を高めることにより自己肯定感を高める。

その後も親が継続的に子どもの勉強方法をウォッチする。(定着)

唐突ですが反復学習に効果的なやり方があるのをご存知ですか?
ブロック学習・ランダム学習という聞きなれない言葉がこの本に出てきます。

その詳細は以下の本を見ていただくとして、結論としては色々なジャンルの問題をランダムな順番で反復学習した方が、テストで高得点を取れる傾向にあると実験的に示されています。

しかし、子どもに反復学習を行わせるとブロック学習(同じジャンルの問題をまとめて解く)になりがちです。

だから、親が正しい勉強法を学んだ上で子どもの勉強に介入する必要があります。

親も子どもも「勉強した気になっている」という自己満足のような状態を
いち早く脱却することが大事です。

なお、ブロック学習が効果的でない根拠もしっかりと書かれているので、
気になった方は是非以下の本をご一読ください。

②親が子どもの心理学に基づく動機付けの方法を学び・実践する

子どもにやる気を出させるため、親が動機づけのやり方を勉強します。

ゲームは製作者側がプレイヤーに楽しんでもらえるよう考え尽くして作られているので、
子どもは自然とのめり込んでしまいます。

しかし、勉強は違います。
子どもは自発的に勉強を好きにはならないと思います。

そして、勉強を漫然とやるって苦行ですよね?
そんなものを「いいから、勉強しなさい!」を強要させるのは酷な話です。

そこで、ARCSモデル(Attention注意、Reason理由、Confidence自信、Satisfaction満足)という学修意欲のモデルを活用して子供のやる気をUPさせる方法が書かれた本をご紹介します。

引き続き、菊池 洋匡さんの本です。
こちらも科学的根拠と具体的アプローチが書いてあるので実践可能なものとなっています。

例として、「Attention~勉強に『ワクワク』させる~」で気になったところを書きます。

子どもの前で親が自ら勉強するという手法があります。
心理学の「目標感染」という効果を使い子どもが無意識に勉強を真似るように仕向けます。

確かに親がテレビやゲームをやっていたらなんとなく混ざりたくなっちゃいますよね?

この「目標感染」は家族や友人など親しい間柄だととくに起こりやすいとされています。

例えば、進学校に行くと勉強熱心で意識の高い学生が多いため、
「目標感染」により自分も勉強しよ〜ってなるのですね。

では、どうやったら親が勉強していることを子どもに感じ取ってもらえるか?

ということが個人的な懸案です。

今の時代勉強はスマホでもパッドでもできちゃいます。
紙と鉛筆だけが勉強の手段ではありません。

ですが、親がスマホやパッドをいじっていたら子どもは「遊んでいる」
と判断するのではないでしょうか?

なので、お子さんの年齢にもよりますが、子どもの勉強方法と同じ方法で親も勉強した方がより伝わりやすいと思いました。

最後に

菊池 洋匡さんの本ばかり紹介してしまいましたが、方法論が客観的な根拠を持って書かれている本であればなんでもよいと思っています。

私がこの記事を通して一番言いたいことは、親が勉強して上手にサポートすることで、子どもに結果を出させてあげることがある程度可能だということです。

「勉強は子どもの能力や性質に合っていない」と見切りをつける前にやるべきことがきっとあるはず!

秋の夜長に調べてみてはいかがでしょうか。